経営とは、判断を委ねること。

会社は、人を管理するためにあるのではありません。

人が、自ら考え、自ら判断し、その結果を引き受けるためにあります。

私にとって経営とは、答えを与えることではありません。判断を委ねることです。

ルールだけで動く組織は、やがて思考を失います。

思考を失った組織は、前例を守ることはできても、新しい前例をつくることはできません。

だから私たちは、ルールよりも、一人ひとりの判断を信じます。

その判断の積み重ねが、美意識になり、やがて品格になります。

自由とは、責任から自由になることではありません。

自ら選び、その選択を引き受けることです。

仕事も同じです。

指示を待つ人より、「本当に、それでいいのか」と立ち止まれる人。

役割を果たす人より、その役割そのものを更新しようとする人。

そんな人が一人増えるたびに、組織は少しずつ変わっていきます。

失敗は責めません。

挑戦に、失敗はつきものだからです。

ただ、思考だけは止めたくない。

AIは、精緻な答えを出します。

だからこそ、人間は問いを持たなければならない。

私たちが問いを失えば、昨日を繰り返す。

問いがある限り、更新は止まらない。

経営とは、その環境を整え続ける仕事です。

それが、経営の責任です。

その手入れに、終わりはありません。



磯野 健二

株式会社ザッツ・オールライト代表取締役。2010年に同社を設立。企業やブランドの戦略設計・クリエイティブディレクションに携わる。現在は、歌舞伎役者や人間国宝のマネジメント会社である株式会社3Top、D-T株式会社にて取締役(CFO・CLO)を務めるほか、SNSマーケティング会社・株式会社PROFITの代表も兼任。事業と表現の両方に関わりながら、仕事の質を高める仕組みづくりに取り組んでいる。

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